【あらすじ】
魔王様の部下は有能すぎる!?魔王様は今日も頭を抱えている!
出演人数:5人(男3女2)
時間:(推定)20分
配役
◆魔王 :【男】ちょっと押しに弱い魔王様。
◆カトリーヌ :【女】魔王の秘書、有能、魔王をいじるのが日課
◆ズメイ :【男】魔王の剣術の師匠 竜人(たつびと)という種族 酒好き
◆タクシャカ :【男】魔王の魔法の師匠 竜人(たつびと)という種族 酒好き
◆モニカ :【女】魔王城の厨房係 タクシャカの弟子
* * *
魔王:はぁー・・・
カトリーヌ:ため息なんてついてないで、仕事してください魔王様
魔王:カトリーヌ、貴様だんだん我への対応が雑になってないか?
カトリーヌ:なってませんよ。えぇ、全然なってませーん
魔王:今まさになっているではないか!くそっ、貴様が有能な秘書ではなかったら今すぐクビにしているところだぞ・・・!
カトリーヌ:すいませんねぇ私が魔王様より有能なばかりに〜
魔王:減らず口をたたくな!
カトリーヌ:それで、同じ書類ばかり見て一体何を悩んでるんですか?
魔王:最近オーガとエルフが両方きな臭くてな・・・、どちらを先に潰すか迷っているところだ
カトリーヌ:オーガにエルフですか・・・。どちらも一筋縄では行かないでしょうね
魔王:双方とも話し合いにすら応じてくれそうもないからな。その時は滅ぼすしかなかろう
カトリーヌ:でもどうします?オーガとエルフの国は真反対ですよ?どちらかひとつにしか人員は割(さ)けません
魔王:そうだな・・・
タクシャカ:魔王様、それならば私はエルフを先に潰したいのですが
ズメイ:クシャはそちらか。俺はオーガの方が容易いと思うのだがな
カトリーヌ:タクシャカ様!ズメイ様!お疲れ様でございます
魔王:クシャにズメイ・・・ちょうどいい所へ来た。そなたらの意見を聞きたかったのだ
タクシャカ:おやそうでしたか。それは重畳(ちょうじょう)
魔王:クシャは何故エルフを先に潰したいのだ?
タクシャカ:研究材料にしたいのですよ。最近色々と行き詰まってしまいましたし、気分転換に新しい研究がしたいのです。エルフは長命で研究のしがいがある
ズメイ:それを言うなら、オーガの角も研究したいと言っていたではないか。奴らはエルフよりも馬鹿だ。落とすのは簡単だろう?
タクシャカ:オーガに関しては今や弟子に研究を任せていますからね。私はエルフの研究がしたいのです
魔王:難しいな・・・、双方攻め込んでも利(り)はあるのか
ズメイ:カトリーヌ嬢はどう思う?
カトリーヌ:私ですか?どちらも我が軍ならば簡単に蹴散らせそうですが・・・、エルフはただでさえ長生きですので小癪(こしゃく)な真似をしてくるかと
魔王:なるほどな。確かに一理ある
モニカ:(ノック音)失礼致します。お食事をお持ちいたしました
ズメイ:モニカ嬢か。ご苦労だな
モニカ:ズメイ様!お師匠も!
タクシャカ:モニカ、魔王様の御前だ。お師匠と呼ぶのは控えなさい
モニカ:あっ・・・!申し訳ございません魔王様!
魔王:いやよい。そういえばモニカはクシャの弟子だったな
モニカ:え?はい・・・
魔王:今度エルフかオーガの土地へ攻め込もうと思っていてな、モニカはどちらの方がよいと思う?
モニカ:わ、わたくしごときが意見などと・・・!
タクシャカ:魔王様が聞いておられる。遠慮なくモニカの意見を言いなさい
モニカ:お師匠・・・。わ、わたくしはエルフの土地へ攻め込むのがよろしいかと
魔王:ほう?何故だ?
モニカ:食材を卸(おろ)してくれている商人が言っていたのです。最近エルフ達が薬草を大量に発注しているそうなのだと
カトリーヌ:そうなのですか?であれば危険ですね。彼らにとって薬草は魔力を増大させるいわば武器、戦の準備をしていると考えた方がいいですね
モニカ:は、はいっ!それにオーガの方は長老達が暴走しているだけで、若君が必死にお止めしていると聞きました。オーガに関しては今は心配ないでしょう
魔王:・・・素晴らしいな。流石はクシャの弟子と言ったところか
モニカ:そんなことは・・・!おししょ・・・、タクシャカ様がおっしゃたのです。『戦において情報というのは一番遠い位置から手に入る』のだと。その言葉を下さったタクシャカ様のおかげです
ズメイ:ほう、羨ましい限りだ。俺のところの弟子は師匠を褒めも敬いも労いもしない。どうだモニカ嬢、剣術に興味はないか?
タクシャカ:ズメイ。私の弟子ですよ
ズメイ:はっはっはっ!なに、冗談だ。すまんなモニカ嬢、いらぬ心配をかけた
モニカ:いえ!とんでもございません!あっ、そうだお食事!
魔王:ああ、すっかり忘れていた。今宵(こよい)はなんだ?
モニカ:本日は魚のフライになります
魔王:ん・・・、青魚は嫌いだ・・・
カトリーヌ:ダメですよ魔王様、きちんと食べなくては。私がモニカに頼んで作ってもらった意味がありません
ズメイ:おや、魔王様はまだ好き嫌いが治らないみたいだな。坊の頃以降成長していないのか
タクシャカ:仕方ありませんよ。我々に比べれば魔王様は赤子も同然ですから
ズメイ:それもそうか。ならば仕方がないな
カトリーヌ:あら、魔王様は幼少の頃より魚がお嫌いなのですか?
ズメイ:ああそうだ。教えてやろう。あれは坊がまだいつとせの頃・・・
魔王:う、うるさいぞズメイ!坊と呼ぶな!我は食べれる!我に嫌いな食べ物など存在しない!
カトリーヌ:あらそうでしたか。それではどうぞご賞味くださいな
魔王:ぐっ、ぬぬぬ・・・!ぁむ・・・うっ、生、臭い・・・
2話↓
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