第二話 師匠たちとの特訓【4:1:0】

1話はこちらから↓

【あらすじ】

魔王様の実力やいかに!?

 

出演人数:5人(男4女1)

 

時間:(推定)10分

 

配役

◆魔王    :【男】ちょっと押しに弱い魔王様。

◆カトリーヌ :【女】魔王の秘書、有能、魔王をいじるのが日課

◆ズメイ   :【男】魔王の剣術の師匠 竜人(たつびと)という種族 酒好き

◆タクシャカ :【男】魔王の魔法の師匠 竜人(たつびと)という種族 酒好き

◆エドガー  :【男】庭師番 モニカの弟 シスコン

 

 

***



魔王:はぁー・・・

 

カトリーヌ:今度はなんですか、お若いのに頭皮でも薄くなってきましたか?

 

魔王:流石に酷くはないかカトリーヌ!?軽口を叩くな!クビにしてやってもいいんだぞ!?

 

カトリーヌ:はいはい、私をクビに出来ないことくらい分かってますよ。それで、今日はなんなんですか。ため息をつくことなんてないでしょうに

 

魔王:・・・暇だ

 

カトリーヌ:まぁ、傲慢な願いですこと

 

魔王:カトリーヌ、何か面白いことでもしろ

 

カトリーヌ:どうしてもというのなら特別手当をいただきます

 

魔王:融通が聞かないヤツめ。我が暇で暇でしかたないのだぞ?配下として何かしようとする気概(きがい)を見せんか

 

ズメイ:ほう?魔王様は随分と暇なようだな。暇ということはつまり、俺が出した仕事も全て終わらせたということか。結構結構

 

魔王:なっ・・・!ズ、ズメイ・・・

 

タクシャカ:おや、それでは私が出した決済書も終わらせていただけたのですね。1週間はかかると思っておりましたが・・・、さすがです

 

魔王:クシャまで・・・

 

タクシャカ:おや?私達が来てなにか不都合でも?

 

魔王:い、いや・・・なんでもない

 

ズメイ:クシャ、魔王様はどうやら暇を持て余しているそうだ。久々に稽古でもつけてやるのはどうだ?

 

タクシャカ:おやよろしいのですか?久々に腕がなりますねぇ

 

魔王:まずい、まずいぞ・・・!わ、我はこの後予定が詰まって忙しいのだ!

 

タクシャカ:おや、そうなのですか?

 

カトリーヌ:いえ、本日魔王様への謁見等のご予定はありません。

 

魔王:(小声で)カトリーヌ!そこは話を合わせろばかものが・・・!

 

タクシャカ:なにかおっしゃいましたか?

 

魔王:い、いや何も・・・

 

ズメイ:問題ないのならば早速訓練場に向かおうか。鈍っていないといいが、まぁ魔王様の事だ、そんなことありえないだろうな

 

魔王:うぅ・・・

 

~闘技場~

タクシャカ:それでは本日は趣向を変えて、我々が2人でお相手いたしましょう

 

魔王:2人だと!?

 

ズメイ:どうした?まさか怖気(おじけ)づいているのか?今更複数戦闘に慣れていないわけではないだろう

 

魔王:い、いやしかし・・・我の師匠が2人ともとなると話が変わる・・・

 

タクシャカ:悠長なことを言っている暇がありますね。『龍の息吹(ブレス)』

 

魔王:なっ!?短縮詠唱など聞いていないぞ!

 

タクシャカ:逆に敵が律儀に教えてくれると思いますか?ほらほら、存分に逃げ回ってくださいね、『灰神楽(はいかぐら)』

 

魔王:っ・・・!灰で目が・・・っ、

 

ズメイ:ちゃんと避けろよ坊?

 

魔王:ぐっ・・・ぅ・・・!はぁ!はぁ・・・

 

ズメイ:おーおーちゃんと避けれて偉いなぁ。さすがは坊だ

 

魔王:・・・謙遜するな、わざと当てなかったくせに

 

ズメイ:気づいたならもう遠慮はいらんな。次からは手加減しないぞ

 

タクシャカ:心配しなくても私が治してあげます。腕を落としても大丈夫ですよズメイ

 

ズメイ:それは良いことを聞いた。本気で行くからちゃんと見るんだぞ坊

 

魔王:言われなくとも・・・!

 

ズメイ:では、『アクセルファング』

 

魔王:随分軽い攻撃だな!『牙乱(がらん)』!手応えがしたぞズメイ!

 

ズメイ:残念、それは俺の鱗だ。坊こそ油断していると足元をすくわれるぞ

 

魔王:なっ!?尻尾が・・・!

 

ズメイ:合わせろクシャ

 

タクシャカ:言われなくても、『マインドボルト』

 

ズメイ:耐えきれよ坊。『オーラセイバー』!

 

魔王:ぐっ・・・!うっ、ぐあっ・・・!

 

ズメイ:庭園の辺りまで飛んでしまったな。やりすぎたか

 

タクシャカ:張り切りすぎましたかね

 

ズメイ:まぁいい。追うぞ

 

~庭園~

魔王:ったた・・・、ここは・・・庭園か?

 

エドガー:誰ですか!僕が手入れした庭園をめちゃくちゃにしたのは!

 

魔王:お前は・・・

 

エドガー:え、魔王様?どうしてここに?

 

魔王:少し、な

 

エドガー:そうですか・・・、よく分かりませんがとりあえず理解しました。立てますか?お召し物が土で汚れてます

 

魔王:そうだな

 

タクシャカ:お加減はいかがですか魔王様?

 

ズメイ:いやはや、年甲斐もなくはしゃいでしまったな。そこの少年。庭園をダメにしてすまない

 

エドガー:い、いえ!偉大なる剣聖様と大賢者様にお会いできて光栄です!エドガーと言います!大賢者様には姉さんが世話になっております!

 

タクシャカ:そうか、君はモニカの弟くんか。君の姉君は非常に優秀だな。私も助かっている

 

エドガー:ありがとうございます!姉に伝えておきます!

 

ズメイ:さてと・・・、どこに行こうとしている坊?

 

魔王:ギクッ・・・、あー・・・、すこし書類の確認漏れがあったような気がしてな・・・

 

タクシャカ:おや、それは大変ですね。ならば私も付き添いましょう。仕事についても聞けますしちょうどいい

 

魔王:え、いやその・・・

 

タクシャカ:それでは行きましょうか

 

魔王:い、嫌だー!!

 

ズメイ:はははっ!どれ俺も行くか

0:

0:

エドガー:あの人が魔王・・・。最近姉さんの様子をおかしくさせた張本人、か・・・目障りだな

 

 

3話↓

0コメント

  • 1000 / 1000