第五話 師を持つ者同士【4:2:0】

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【あらすじ】

買い物に出かけたモニカは門番であるネロに呼び止められて…?

 

出演人数:6人(男4女2)

 

時間:(推定)10分

 

配役

◆魔王    :【男】ちょっと押しに弱い魔王様。

◆カトリーヌ :【女】魔王の秘書、有能、魔王をいじるのが日課

◆モニカ   :【女】魔王城の厨房番 タクシャカの弟子

◆ネロ    :【男】転移門門番でエドガーの友達 全体的に気だるげ ズメイの弟子

◆タクシャカ :【男】魔王の魔法の師匠 竜人(たつびと)という種族 酒好き

◆エドガー  :【男】庭師番 モニカの弟 シスコン

 

 

***

 

モニカ:あっ・・・!すみませんお師匠!私少し出てきます!

 

タクシャカ:どうした? 


モニカ:研究に使っていた蝶の鱗粉とヒグマの爪が切れてしまって・・・すぐ必要なので買い出しに行ってきます

 

タクシャカ:気をつけて行くようにな。ああそうだ、転移門を使うといい。券が余っているからこれを使いなさい。もうすぐ期限切れになるところだった

 

モニカ:ありがとうございます!行ってきます!

モニカ:転移門は・・・意外と庭園の近くにあるのね。あ、ここだ

 

ネロ:・・・ん?こんな時間に客か。珍し

 

モニカ:すみません!城下町の東門までお願いします

 

ネロ:あ〜じゃあ身分証と通行料くださ〜い

 

モニカ:お願いします

 

ネロ:えーと、厨房番のモニカさんね、支払いはチケットっと・・・はいどうぞ〜

 

モニカ:ありがとうございます!

 

ネロ:はぁー、朝っぱらから忙しい忙しい・・・あ?モニカ?なんかどっかで聞いたことある気が・・・ああ!!!?

 

0:〜数時間後〜

モニカ:間に合った!転移門って本当に便利ですねぇ・・・あっ!門番さんありがとうございました!それでは!

 

ネロ:ちょっ!待て待て待て待て!?

 

モニカ:はい?どうかしましたか?

 

ネロ:ア、アンタまさか・・・エドガーの姉、か・・・?

 

モニカ:エディをご存知なんですか!

 

ネロ:まじでエディって言ってる・・・いやまぁ、仕事場が近いから話すくらいなんだけど・・・どっちかっていうとアンタの方が有名だぞ

 

モニカ:へ?

 

ネロ:タクシャカ様の弟子だろ、アンタ。有名だぞ

 

モニカ:あぁ、それで私のことを…

 

ネロ:嫌いか?弟子だからって有名になるのは。まぁ俺もだけどさ

 

モニカ:門番さんも誰かのお弟子さんなんですか?

 

ネロ:ネロでいい。まぁな、言えないけど俺にも師匠が居る。とんでもなく面倒臭い奴

 

モニカ:師匠のことをそんな風に言っちゃダメですよ。少なくとも尊敬できる御方じゃないんですか?弟子になってるくらいだし

 

ネロ:俺の場合は特殊なんだよ。例えば、アンタはどういう経緯でタクシャカ様の弟子になった?

 

モニカ:私のこともモニカでいいですよ。そうですね、お師匠が私の才能を見出してくれて、拾ってくれたことが始まりです

 

ネロ:才能?

 

モニカ:ええ、他の皆には無い才能。だからこそ私はお師匠の弟子でいられるんです

 

ネロ:そりゃ初耳だ。どんな才能なんだ?

 

モニカ:内緒です。女の子は秘密があった方が魅力的になるって、憧れの方に教わりましたから。ただ1つ言えることは、お師匠は私のことも研究対象の1つとして見ているってことです

 

ネロ:・・・そうか

 

モニカ:それで、ネロさんは特殊ってどういうことですか?

 

ネロ:俺は元々今の師匠を殺す依頼を受けた闇ギルドの暗殺者だった。

 

モニカ:え、えぇ!?

 

ネロ:んな驚くことかよ

 

モニカ:驚くに決まってますよ!暗殺って・・・えぇ?

 

ネロ:まぁ、失敗して返り討ちにあって、今じゃ弟子なんて立場に置かれてるって訳。俺は尊敬するしないどころの話じゃねえの

 

モニカ:・・・ふふっ

 

ネロ:・・・何

 

モニカ:ごめんなさい。でも、ネロさんのお師匠様は優しい人なんだなって思います。じゃなきゃ、自分を殺そうとした人を傍に置くことなんてしませんよ

 

ネロ:・・・

 

モニカ:いけない!私戻らなきゃ!お話できて嬉しかったです!またエディと仲良くしてあげてください。それでは!

0:

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ネロ:優しいねぇ・・・俺の雇用主を真っ先に殺しに行った人が、優しいわけがあるかっての

 

 

________

 

モニカ:戻りました!

 

タクシャカ:少し遅かったな。どうしたんだ?

 

モニカ:あ、実は門番さんと少しお話をしていて・・・その人にも師匠がいるそうなのですが、あんまり仲良くないみたいです。誰が師匠なのかも分からないんですけど

 

タクシャカ:ほう・・・

 

モニカ:そういえば、ズメイ様にはお弟子さんはいらっしゃらないのですか?

 

タクシャカ:あぁ。居た、と言った方が正しいな。モニカもよく知っている人だ

 

モニカ:私も?誰なんですか?

 

タクシャカ:それは自分で考えてみるといい

 

モニカ:意地悪です

 

タクシャカ:自分で判断し考える力を養わないと、いつまで経っても私を超えることは出来ないよ

 

モニカ:・・・分かりました。頑張って考えてみます

 

タクシャカ:ああ、その意気だ

  

〜魔王城〜

 

魔王:カトリーヌ〜腹が減った 


カトリーヌ:はいはい、もう少しでモニカが来ますからお待ちを

 

魔王:・・・本当に貴様は我を敬う気持ちがないな!仕事はできるやつなのがことさら腹立つ・・・!

 

カトリーヌ:訓練の賜物(たまもの)ですかね

 

魔王:ん?誰かに教わっていたのか?

 

カトリーヌ:秘密です

 

魔王:我に隠し事をする気か?

 

カトリーヌ:魔王様、女の子は秘密の1つや2つくらいあった方が魅力的に見えるのですよ。聞き出すだなんて無粋(ぶすい)です

 

魔王:むぅ・・・

  

 

〜転移門〜

 

エドガー:ネロさん。ネロさんから姉さんの匂いがするんですけど、姉さんに何かしました?

 

ネロ:もう俺お前怖い

 

 

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