飴と鞭の鞭は飴【2:0:0】

【あらすじ】

これは歪んだ二人の歪んだ物語

 

出演人数:2人(男2)

 

時間:(推定)5~10分

 

配役

◆零央(れお):【男】圧に弱い、発言力が弱め

◆透(とおる):【男】言動荒め、DV気質

 

 

***

 

零央:…ただいま。

 

透:おかえり。随分遅かったね。どこ行ってたの?

 

零央:あ、ちょっと買い物に…

 

透:へぇ…、手ぶらだけど、何を買いに行ったの?

 

零央:そ、それは……

 

透:本当はどこ行ってたの?黙ってたら分からないんだけど。

 

零央:ご、ごめっ……!

 

透:は?いや、謝るんじゃなくて、どこ行ってたかって聞いてるんだけど。俺の言ってること分からない?

 

零央:ご、ごめ…

 

透:(舌打ち)…もういい。零央に期待した俺が馬鹿だった。

 

零央:まっ、待って…!!!言うっ…いうから!

零央:バー…で、、お酒、飲んでた…

 

透:ふーんそっか。ちゃんと言えて偉いね。

 

零央:っ…!!!


透:……なんて、言うと思った?

 

零央:い゛っ……!?

 

透:あのさぁ、俺の許可なしに夜出歩くなって言ったよね?何?聞いてなかった?

 

零央:あ…えっ、と……

 

透:(零央の腹を殴る)

 

零央:がっ………!(咳き込む)

 

透:さっきから零央の体から嫌いな匂いがプンプンする。酒の匂いも!香水の匂いも!俺の吸わない煙草の匂いも!全部が不快。ねぇ、それを持ち込んできたのは一体誰?

 

零央:そ、れは……

 

透:すぐ言えないの?『全部私が持ち込みました』って。

 

零央:ぁ……

 

透:はぁ……。俺もいちいち言いたくないんだよ。でも零央が、俺との約束を守らないからこうやって躾けてやってるんだよ。ほら!ごめんなさいは?

 

零央:ごめっ…な、さい………

零央:おれがっ…やくそくやぶったから……いうことっ、きけなくて…おこらせたから…

 

透:なにそれ、俺が悪いって言いたいの?

 

零央:ち、ちがう、おれが、おれが悪い、おれがちゃんとしてなかったから…ごめっ、ごめんなさい…っ

 

透:そうだよね。零央が悪いよね?謝れて偉いよ。だけどさ、約束破ってまで一体何がしたかったの?

 

零央:そ、れは……

 

透:なにか俺に言えないことでもあるの?

 

零央:………

 

透:黙ってるだけじゃ何も分からないんだけど

 

零央:う゛っ…!!!

 

透:ああそれとも、理由はそこにあるタバコの火傷痕?

 

零央:っ!

 

透:俺がつけたものじゃないよね?自分で?それとも誰かに?

 

零央:あ、、その……

 

透:言えよ。それとも何?わざとされてきた?

 

零央:ぅ、ん…………

 

透:そう。

 

零央:ま、まって!行かないで!

 

透:は?いつから零央は俺に指図できるほど偉くなったの?

 

零央:っ!ごめっ……

 

透:これみよがしに見せつけてきちゃってさぁ……。まぁ大体検討着いてるけど。零央、俺を怒らせたいんでしょ?俺を怒らせて、いつもみたいに俺に殴られたい。違う?

 

零央:…っそう!こうすれば、透が殴ってくれると、思って…………!

 

透:そう。そのために他人にこんなことされてもいいって事は、殴ってくれるなら誰でもいいんじゃない?

 

零央:!?や、やだ…!嫌だ!!!!

 

透:生憎暇じゃないからさ、誰でもいいならさっさと別の奴のとこに行ってくれない?

 

零央:や、やだ…!透じゃないとやだぁ…!

 

透:じゃあなんて言えばいいのか分かるよね?零央の口から、直接、俺に言うことは?

 

零央:あ…………

零央:おねがい…、おれのこと、いっぱいしかって、なぐって、めちゃくちゃに、して!

 

透:ったく、零央はホントに手のかかる悪い子で困る。…ほら、こっちに来い

 

 

花より桜餅

さくらもちの台本置き場 未完結ものアリ〼

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